俺、高校2年夏、霊感のない俺の霊体験。
俺、今でも覚えてるんだよ。
別に俺は霊感なんかないし、そういう体験はしたことがなかった。
でも、あの日だけは違った。
俺には姉が2人いてさ、
当時、大きい部屋の真ん中に二段ベッドを置いて、長女と部屋を分けてたんだ。
俺は、二段ベッドの上で寝てて、高校2年の夏、その日もいつも通りそこで寝てた。
何時かはぜんぜん覚えてないんだよ。
なんとなく夜目が覚めたんだ。
2時なのか、3時なのか、とりあえず暗くて、みんな寝ている時間帯だった。
俺の部屋には大きな窓があって、ベランダにも出れるようになってる。
うちは、クーラーを付けない派の家だから、基本窓を開けて寝てるんだよね。
だから、外の光が入ってくるようになってる。
夜中でもさ、月の光とか街灯とかなのかな、光が入ってくるから、真っ暗闇ではなくて、なんとなく目が慣れれば、物陰とかわかるし、はっきりとは見えないけど、まあまあ見えたんだよ。
俺は、目が覚めて、横になったまま、ふと目線を左隣を見たんだ。
そしたら、なんか気配を感じて、俺は起き上がったんだ。
そしたら、左隣に男の人が座ってんだよ。
なんとなくだけど20代くらいの若い人だった。
そんですげー覚えてるんだけど、タンクトップ着てるんだよ。
当時細マッチョって言葉が流行ってた頃でさ、まさにタンクトップから出てる腕が、素晴らしい細マッチョなんだわ。
俺ね、ぜんぜん怖くなかったんだよ。
俺、非力だからさ、細マッチョいいなーって思って、目線を逸らして、でもまた見たいなって思って、あーやっぱ細マッチョだわって。
何度も見てたわ。
そんで見飽きてさ、もう一度横になったんだよ。
また、なんとなく横になって目を開けたら、壁から手が出てるんだよ。
急に恐怖!
はっきりとは見えなかった。
ただ手が壁から出てた。
これはマジ怖い。本気で怖くなって、目をつぶってさ、絶対開けないって決めたんだ。
俺、ほん怖好きだったから、こういう時目を開けたら、目の前に幽霊がいるっていうのが、もうわかってたから、だったら絶対開けないわって決めて、寝られるのを待った。
なかなか寝れなかったよ。
めっちゃ怖かったからね。
気付いたら朝になってた。
無事寝てたみたいだった。
そして、俺はすぐわかった。
昨日壁から手が出てた、あれはさ、電気スタンドだったんだ。
角度的に壁から手が出てるように見えたんだね。
めっちゃ安心して、まあ俺には霊感なんかやっぱないわって思った高校2年生でした。
そんな感じだね。
またね。