俺、自分の強み忘れてた。
俺、今日上司と面談だったんよ。
一応上期の振り返り的な面談よ。
この上期の目標に対して何をしたかとか、
その結果どうだったかとか、
プロセスは正しかったのかとか、
まあそれっぽいこと話したんよ。
俺も地味にちゃんと働いてるからさ。
そんななかで、
自分の強みってなんだと思う?って聞かれたんよ。
俺の強みな、、、
最近そんなこと考えたことなかったなって思ってさ、いや、もちろん就活の時とか激しくやってたよ、でも今となってはそんなことまあ考えないよね。
俺の強みってなんだっけなって、
なんとなく考えてたんよ。
俺の強みか、
俺の強み、
今の俺は、新しい場所に来たばかりでさ、
周りの人はみんな先輩なんだ。
今までの部署は、それなりに先輩で、チームリーダーとかになってたんだけどね。
ここでは、まあ下っ端ですわ。
そんな俺の強み、、、
なあ、
忘れてたよ、
間違いなく俺の強みがあった。
俺、めっちゃゴマするの上手いんだった!
もうね、すぐ媚び売って、
適当な言葉でおだてて、
先輩、上司を持ち上げまくって、
良い気分にさせまくる。
いやー、忘れてね。
俺がまだ社会人3年目だった時、
周りが先輩ばっかでさ、
疲れ切ってる先輩たち見て思ったんだ。
俺、この人たちのやりがいになろうって。
その日からとにかく褒めたし、おだてたし、媚を売った。
これが面白いほど上手くいったんだよ。
俺が適当に言った褒め言葉も、
すげー嬉しそうなんだよ。
純粋に、疑うことなく、
でも笑顔で、少し照れてて、
なんかこっちも、すごい良いことした気分になるんだよ。
あげくさ、昼とか奢ってくれちゃう時もあって、、、
一時期それにハマっちゃってさ、
先輩を持ち上げるためだけに会社に行ってた時もあったな。
いやー、思い出したわ、俺の強み。
ごめん、今の部署の先輩たち。
俺ぜんぜん持ち上げてなかった、
俺ぜんぜんおだててなかった、
俺ぜんぜん適当な褒め言葉言ってなかった、
みんなごめん。
俺もう大丈夫だよ。
大丈夫だから。
もう思い出したから。
さあ、やってやるか。
明日から褒め殺しだぜ!
って思ったけど、明日から連休じゃねーか。
まあいいや、
またな。